一般的な商品にはあらかじめ定価が定められており、納品した商品に見合った一定の対価が支払われます。しかし中には商品の最終的な質によって報酬が変動するものがあります。それが成果報酬と呼ばれているものです。一般的な支払い方法とは異なるため、活用の仕方によってはクライアントの興味をひくことができるかもしれません。それでは成果報酬とは具体的にどのようなものなのでしょうか。正しく理解して営業の幅を広げてみましょう。

成果報酬とはどういうもの?

成果報酬を簡単に説明するとクライアントが求める結果・状況になった際に成果として報酬が発生する仕組みのことです。また成果によって決定された報酬そのものを意味する場合もあります。成果報酬が導入されている業種としては広告サービス業が代表的です。例えば広告を掲載して問い合わせが「3%向上すれば100万円の報酬」「5%向上すれば300万円の報酬」が発生するなどの形で使われます。広告サービス業以外ではフリーランス業で成果報酬が導入されていることが多いです。フリーランスのような個人ではクライアントからの信用を得にくい傾向があります。そこで成果報酬を導入することによって、ある程度の実力を持っていることをクライアントに示すことができるようになります。

成果報酬と成功報酬には何の違いがある?

成果報酬とよく似たものとして成功報酬というものがあります。1文字しか違わないため非常に紛らわしいのですが、意味はまったく異なるため注意が必要です。成果報酬は成果物に対して報酬が支払われます。クライアントが仕事を依頼した段階では報酬額は決定していません。最終的な成果物の出来合いや質によって報酬額が変動します。それに対して成功報酬は、仕事が成功した場合に限り報酬が発生します。つまり失敗した場合、報酬はありません。また報酬額はクライアントが仕事を依頼する前から決まっており、たとえ予想以上の成功が得られたとしても報酬額が後から変動することはありません。2つの報酬の違いを簡単にまとめると成果報酬は成果の質で報酬額に幅が生まれます。一方、成功報酬は報酬があるかないかのどちらかであり、かつ報酬額は固定です。

報酬形態を成果報酬にして仕事を受けるリスク

成果報酬を導入するとクライアントの支払いに対する心理的なハードルが下がるため、仕事を受注しやすくなるというメリットがあります。しかしリスクがあることも忘れてはなりません。まず、時間を無駄に浪費してしまう可能性があります。時給や月給ではないため、働いた時間に対して「どれくらいの利益が発生するのか」が分かりにくくなるでしょう。結果的に仕事にメリハリがなくなってしまったり、だらけてしまったりすることがあるため注意が必要です。そして仕事の終わりが分かりにくいことも挙げられます。成果の質を過度に意識してしまうと終着点が曖昧になり、仕事がなかなか終わりません。仕事が終わらないと並行して取り組んでいる仕事や新しい仕事の受注にも影響が出てしまう可能性があります。成果報酬は必ずしも万能ではないことに注意しましょう。

成果報酬型で仕事をするときは要注意!

成果報酬を導入している業種は限られているため、工夫次第では新たな仕事や顧客の獲得につながる可能性もあります。しかし、ここまで紹介してきたようにリスクもあります。もし成果報酬を導入するのであれば、リスクを回避できるような仕組みを構築するようにしましょう。時間を無駄にしないようにスケジュール管理を徹底することや、あらかじめ仕事を終える基準を設定しておくと仕事がスムーズに進みます。また、成果が悪かった場合の保険として着手金などのような他の収入源も並行して導入しておくと安心できるでしょう。リスクを念頭に置いて成果報酬を活用することが成功の秘訣といえます。