企業にとっては新しい顧客を獲得するばかりが仕事ではありません。むしろ1度取引の履歴がついた顧客こそ熱心にフォローし関係を強めていく必要があります。既存顧客を中心に仕事をする営業を「ルート営業」といいます。売り上げに直結するルート営業の質は企業の経営状況を左右します。ルート営業の概要を正しく理解し効率的な仕事の形を実現させましょう。ここではルート営業の詳細やメリット、デメリットなどを解説していきます。

ルート営業とはどういうもの?

ルート営業は対象を既存顧客とした営業の形態です。一般的に営業は違い、新規顧客の獲得のために働くことが多い役割です。そのため飛び込み営業やマーケットのリサーチに時間を使い、顧客を増やそうとしている営業はたくさんいます。しかし新規開拓は行わないところにルート影響の特徴があります。ルート営業の目的は「既存顧客が離れていかないようにする」点と「既存顧客から安定した売り上げを得る」点にあります。顧客との親密な関係を築きながら、常に新しい商材を用意しなくてはいけない大変な業務といえるでしょう。

ルート営業の仕事内容と特徴

ルート営業では既存顧客のアフターフォローが業務の中心となります。過去に販売した商品や導入してもらったサービスが正常に機能しているかを定期的にチェックしクレームが出ないように予防線を張ります。一方で新しい売り上げも既存顧客から得なければいけません。プレゼン資料を作成したうえでサービスの拡大や新サービスの売り込みを提案する必要もあります。新規開拓中心の一般営業と比べても決して楽な仕事とは呼べないでしょう。むしろ一般営業以上に自社サービスを深く理解していないといけないなど常日ごろから勉強するポイントが多く忙しいポジションです。

仕事の一日の流れは?

ルート営業の日々のスケジュールは出社して準備するところから始まります。営業に必要な資料をそろえたり予定を立てたりするだけでも早朝の時間帯は埋まっていきます。本格的に始業時間を迎えるとアポイントメントを取ったりメールをチェックしたりとめまぐるしく働きます。昼休みより前には連絡すべき顧客をチェックしておくのが理想です。午後からは客先訪問や商社との打ち合わせに追われます。帰社するのも夕方以降になる日は珍しくありません。それから売り上げ入力や日報記入などの事務作業を行います。多くのルート営業が定時以降になっても残業をしてから帰宅しています。

ルート営業のメリットとデメリット

ルート営業のメリットは「飛び込み営業や営業電話をしなくていい」ところです。また訪問先・時間が決まっていることが多いため、スケジュールが立てやすく精神的に楽だと感じる社員もいるでしょう。信頼関係がすでにできている顧客とは気軽に面談ができるので、時には世間話などで盛り上がる場合もあります。
デメリットとしては信頼関係の維持が難しいところでしょう。担当者変更や仕入れ価格の変動など、わずかな要因で顧客は心変わりをします。顧客にメリットを提示し続けなければあっという間に売り上げが下がるでしょう。また、同じ顧客とばかり仕事をするために、モチベーションの低下ややりがいのなさを感じる社員もいます。

一般営業にはない魅力がある!

一般営業とルート営業は、どちらが優秀というわけではありません。それぞれ会社が生存していくために重要な役割を担っています。ただし、あくまで「仕事のしやすさ」という面ではルート営業が秀でているといえるでしょう。一般営業と比べると売り上げノルマも達成しやすく、何より見ず知らずの顧客と話さなくていいので気が楽です。先輩から大手の顧客を引き継げば、すぐに売り上げが伸びることもあります。
顧客と信頼関係が整えば、訪問するのも楽しくなっていくので社交的な人には向いています。一般営業にはない魅力を感じながら仕事に打ち込めるでしょう。