今やうつ病は、誰でもかかる可能性のある病気です。とりわけ、対人関係でストレスを感じることの多い営業職は、うつ病になりやすい仕事といえるかもしれません。うつ病になってしまうと抑うつ気分が続き、なにをするにも意欲がなくなります。また、集中力や注意力が低下し、仕事の効率も落ちてしまいます。うつ病を患って不本意ながら退職した、ということにならないためにも、日頃から予防に努めることが重要です。ここでは、うつ病の原因やその症状、予防策について紹介します。

うつ病になりやすい営業マンの特徴は?

うつ病には、その人自身の性格が大きく関わっています。うつ病になりやすい人の特徴としては、まず非常に真面目な性格であることが挙げられるでしょう。真面目な人は仕事に熱心に取り組むので社内での評判もよく、周りからも大きな期待をかけられがちです。仕事がうまくいっているうちはそれでいいのですが、一度うまくいかなくなると周囲の期待に応えなければという気持ちがプレッシャーに変わってしまいます。その結果、自分自身を追い込んでしまうのです。
プライドが高い人の場合も、似たようなことがいえるかもしれません。プライドが高い人は、自分自身に高い要求をしがちです。自身で設定した目標を達成できているうちは、問題は表面化しません。しかし、目標を達成できなくなってしまうと「こんなはずではない」「自分はもっとできるはず」と、より自分にプレッシャーをかけることになります。他にも、几帳面なタイプも要注意です。几帳面でどこか完璧主義者なところがある人は妥協点を探すことや、思い通りにならない物事を許容することが、難しい傾向にあります。周りと自分とのあいだに生じるギャップがうまく埋まらなければ、精神的な問題として表面化することもあります。

うつ病になりやすい営業職の職場環境

うつ病になるのは、本人の性格だけが問題なのではありません。その人を取り巻く職場環境も、同じくらい重要な要素です。営業職の場合、ノルマが厳しすぎたり、合わない営業スタイルを押し付けられたりすることが、うつ病を引き起こすこともあります。また、休暇が少ない、残業が毎日長時間に渡るといった、劣悪な就業条件もリスクファクターのひとつです。
うつ病が引き起こされる原因は未だ明らかにされてはいませんが、ストレスとの関連性が深いともいわれています。仕事に関するストレスといえば、昇進や降格、それに職場の人間関係などが考えられます。また、与えられた仕事内容が自分に合わないといったケースもあるでしょう。これらの要因は、個人で解決することが難しく、会社全体で取り組む問題だといえます。

うつ病の可能性がある症状とは?

実際にうつ病にかかると、さまざまな症状が表に出てきます。最初に、感情的な変化です。名前の通り気分が落ち込んで憂うつな感じが続く、何事にも悲観的になるといった気分が長期的に続きます。その一方で、イライラしやすくなったり、意味もなく涙が出たりと、傍目に見ると感情の起伏が激しくなったようにみえることもあるでしょう。仕事にも多大な影響をおよぼします。集中力が低下してぼーっとすることが増え、仕事の効率が落ちてきたら要注意です。
また、ちょっとした決断ができなくなる、注意力が散漫になり、人の話がすぐに理解できないといった傾向も出てきます。意欲の低下もうつ病の症状のひとつです。友人や家族と会いたくなくなる、会っても会話が弾まず、面白いと感じなくなります。ほかにも、これまで打ち込んでいた趣味に興味が持てなくなる、食欲がなくなるといった点も特徴的です。

早めに対策をするのがベスト!

うつ病は治療が難しい病気です。そのため、治す方法を考えるのではなく、予防することが重要だといえます。予防するためには、ストレスに強い心を持つことが肝心です。しかし、自分の性格を変えるのは決して簡単なことではありません。そう考えると、いかにストレスの少ない職場環境で働けるかが、うつ病を予防するうえでは大切なことです。自分の働いている環境を改めて見直してみて、改善できるような箇所は改善したり、してもらったりしましょう。そのうえで、なお精神的に大きな負担を感じるようであれば、転職も視野に入れる必要があるかもしれません。うつ病になってから後悔しないためにも、早めの対策を心がけましょう。