セールスレップをご存知でしょうか。増税などによって個人消費が落ち込むなか、営業スキルの向上は、多くの企業にとって達成すべき課題のひとつです。そこで活用できるのが、企業に代わって営業活動を行うセールスレップです。セールスレップを効果的に活用することで、商品を欲しいと思う消費者を増やすための営業力強化はもちろんのこと、社内の営業部門の全体的なスキルアップにつなげることができます。ここでは、セールスレップの役割や活用方法、日本におけるセールスレップの現状などについて詳しく紹介します。

セールスレップとはどういうもの?

セールスレップとは、Sales Representativeの略で、直訳すると「営業の代理人」を意味します。その名の通り、企業から委託を受けて商品やサービスの営業を行う者を指します。しかし、ただ企業の代理として営業行為を行うのではありません。セールスレップは、積み重ねた営業経験や豊富なマーケティング知識などを最大限活用し、合理的かつ科学的な目線からセールスを行う営業のプロです。

どこまでがセールスレップの仕事?

セールスレップの仕事は、簡単にいえば「商品の売り込み」です。本来的には、それ以上でも以下でもありません。つまり、企業の商品やサービスを売り込んで発注を受けるまでがセールスレップの仕事なのです。在庫管理や商品の発送、集金といった業務は原則として行いません。営業先から発注を受けた段階でセールスレップの役目は終わり、そのあとの業務はすべて企業が引き継ぎます。
セールスレップは、しばしば「営業代行」と混同されがちです。用語としての境界線はあいまいなものですが、厳密にはセールスレップと営業代行は区別されています。どちらも企業からの委託を受けて商品を売り込むという職務内容は共通していますが、セールスレップは独自のネットワークを活用して営業代行を行う点に特徴があります。

3つのセールスレップ活用方法

セールスレップを活用する方法としては、次の3つがあげられます。1つ目が、セールスレップを講師として活用する方法です。セールスレップが持つ、高い営業スキルを社内の人材に学ばせることで、企業全体の営業力の底上げにつながります。具体的には、新人教育や既存の営業職の人材育成などのシーンで活用できるでしょう。
2つ目は、セールスレップの成果型の給与形態を、社内の報酬制度として取り入れることです。そうすることによって、売れば売るほど給料が上がるため、社員のモチベーションアップにつながります。給与金額が社員のモチベーションに与える影響と、仕事のやりがいという側面からみても、成果報酬型のセールスレップシステムは理にかなっています。また、月給制では、優秀な営業職ほど給料に不満を持ちやすい面があるため、人材流出への対策としても非常に有効な手段だといえるでしょう。
そして3つ目が、代理店におけるセールスレップの導入です。これまでの代理店制度では、時代の流れを先読みしたスピーディな営業需要に対応しにくく、商品やサービスを売りたい企業のニーズを満たしきれていませんでした。商品やサービスを効果的に売るためには、代理店における営業力アップが大きな課題となっていたのです。そこで、セールスレップを取り入れることで、専門的かつスピーディな営業対応が可能になります。

日本独自のスタイルで発展するセールスレップ

セールスレップという営業形態は欧米で確立されたものです。しかし、日本においては、まったく独自の発展をとげつつあります。その発展は、企業の商品やサービスを売るという本来的な目的だけにとどまりません。営業を通して得た顧客のニーズを活かし、商品開発や企画開発、市場調査、プロモーション、展示などもあわせて行う形で発展しています。
セールスレップの活用方法はメーカーの代理店的な役割を担って、売り上げた商材の成果報酬を得るだけのものではありません。セールスレップの高度な営業スキルを、より多くの人が身につけるためのコンサルタント業務としても、今後より一層発展していくことでしょう。