就活の面接では、多くの就活生が似たような回答をしがちです。面接は人生を決定づける重要な場面だけに、奇抜な発言を避けて無難な内容を話そうとするからです。しかし、似たりよったりの就活生もそれぞれ個性があり、よく見れば「営業向きとそうではない人材」の違いが浮き上がってきます。特に自己PRからは就活生の資質が明確になります。この記事では、面接の場で役立てたい「営業の適性」を見抜くポイントについて解説します。

結論から先に述べて簡潔に説明しているか

営業は理論的に顧客と商談をしなくてはいけない仕事です。曖昧な内容を勢いでごまかそうとする営業は顧客からいい印象を受けません。そして、面接の場でもすでに就活生が営業に向いている話し方をしているかどうかは現れます。
思いついたまま順番に話している就活生は、商談でも分かりやすく説明するのが苦手と想像できます。逆に、相手に伝わるように話の起承転結を組み立てられる就活生には営業の適性があります。PRしたい点を最初に簡潔に述べ、具体的な例を挙げて説明するという手順ができている就活生は「聞き手」を意識した話ができています。また、事前に面接で評価を受けるための準備もできているといえるでしょう。面接では話の内容と同じくらい「話の組み立て」に注目するのがポイントです。

自分自身で考えた自己PRかをチェック

面接での回答は必ずしも「就活生が自分で考えてきた」とは限りません。インターネットや自己啓発本を参考にすれば、もっともらしいテンプレートはいくらでも覚えられます。しかし、人の言葉を借りて面接で答えている就活生には、臨機応変な対応が求められる営業を任せられるかどうか不安です。
そこで、自己PRの内容について深く質問をして、就活生の本音を引き出してみましょう。「ほかの人も似たようなことを言っていましたが、あなた独自の考えを教えてください」など、少しきつい内容でもかまいません。冷静かつ的確に切り返せるなら、自分が考えた言葉を話している証明になります。また、トークスキルを営業でも活かせると期待できるでしょう。逆に、動揺して支離滅裂になってしまう就活生はマニュアル通りの回答をしている可能性があります。

自己PRの話し方でも営業向きかを判断できる

声のトーンや話す速さ、視線の置き方や話し方でも営業向きかどうかが分かります。相手にとって聞き取りやすい話し方ができるのは営業職にとって欠かせないスキルだからです。
たとえば、「ゆっくりとはっきり話せる」就活生は自分の話を客観的に組み立てられる証拠です。逆に、早口でまくしたててくる就活生は緊張のあまり自分を見失っている可能性があります。初対面の相手ともコミュニケーションを取らなくてはいけない営業の仕事では、不利になってしまう性格でしょう。
声のトーンでは「とげとげしさがないか」「自信を持てているか」を注目しましょう。自信過剰な人材は言葉の節々に他人への攻撃性が見てとれます。一方、声が小さすぎる就活生はコンプレックスが強い傾向があり、顧客を不安にさせかねません。

事前準備ができているかどうかは重要な判断基準

自己PRの内容だけでなく、質問に対してどのような切り返しをしてくるかをチェックすることが大事です。自分が話した内容に対して、相手がどのように切り返してくるかを事前に予測して準備できている就活生こそが営業にふさわしい人材です。
営業は商談そのもの以上に「事前準備」に力を注ぐ仕事です。顧客に「何」を売るために「どのような」提案をし、顧客の「質問」を事前に予想しておくのが優秀な営業の特長になります。行き当たりばったりの営業は、思うように売り上げを伸ばせないでしょう。
質問に対して即座に鋭い回答を返せる就活生は、「事前準備」の重要性を理解しています。回答の速さはあらかじめ面接官からされる質問を予想し、対策を練っていた証だからです。営業職として採用しても、スムーズに成長してくれるでしょう。