「ゴールを見据えることで目標の達成可能性が高まる」といわれることがあります。人が1日のうちに実行できるタスクには限界があるため、目標と無関係なことまでこなしていては目標達成が遠のきます。そこで目標達成に向けて着実にステップアップできる計画が重要となるのです。また、何をすればよいかが明確になることで行動しやすくなり、モチベーションの向上にもつながります。そこでどのような営業目標があるのか、どのような点に意識すればよいのかをお伝えします。

2種類の営業目標―結果目標と行動目標

営業目標とは「売上目標前年度比10%増」、「前年度よりも50件多く成約件数を獲る」、「前期よりも500件多く取引先をまわる」といった達成可能な目標のことで、その実現に向けたフローを営業計画と呼びます。
営業目標には結果目標と行動目標の2種類があり、一概にどちらの方が重要だとはいえません。より良いのは結果目標を達成するために無理のない行動目標を立てることです。たとえば「売り上げを前年度に比べて10%増やす」と目標に掲げても闇雲に営業活動をしては意味がありません。前年度売り上げが伸びなかった理由を分析して必要な営業活動が何かを見極め、それを行動目標として掲げます。根本的に営業した取引先が少なければ今年度は増やせるように努力した方が良く、上手く説明できなかったのであれば伝える技術を学ぶセミナー等に参加してみても良いでしょう。

なぜ営業目標を立てるのか?

営業目標・営業計画を立てる終局的な理由は、会社の全体としての収益を伸ばすことにあります。部署全体の目標を掲げることによってその達成に向け全体としての動機付けが行え、個人の力量に適した目標にもモチベーションを向上、維持する役目があります。さらに目標を数値化して、それを達成するための行動を把握することで動きやすくなります。このことに照らせば、上層部からの売上予算を各営業部や個人に落としただけの目標には意味がないことがわかります。また、上司が最初から達成不可能な目標を提示してしまうと部下はやる気を削がれてしまいます。しかし、「去年の成果からすればあなたならこのくらいの目標を達成できるはずだと信じている」と一言添えて期待を示せばやる気につながるはずです。このとき目標を達成した状況を頭に思い浮かべることができるように達成への勝ちシナリオを描いてあげるとよいでしょう。

意識したい2つのポイント

具体的な数値で明確にした目標を掲げたなら、いかに成果につなげるかを考える必要があります。このとき大切なのがアクションプランと振り返りです。
アクションプラン(行動目標)を立てる際には6W2Hを意識してください。6W2Hとは5W1HにWhom(誰に)、How much(いくらで)を追加した概念です。可能な限り細分化して、着実に目標を達成できるような計画を立てましょう。
目標を細分化することで、目標を達成できなかったときの振り返りに役立ちます。うまくいかなかった原因がどのプロセスにあるのか、どのように改善すればよいのかを絶えず考えるようにしてください。

モチベーションアップで売り上げ増加!

強制的に人から与えられるノルマと異なり、目標は本来自分を励ますためのものです。達成できなかったとしても何らかの不利益を被るわけではありません。しかし、目標を掲げることでモチベーションをアップさせることができます。
ただし行動目標に関して注意しなければならないのは、行動目標があくまでも結果目標を達成するためにあることです。足を運ぶ取引先を増やすだけでは意味がなく、取引先を訪れるのは成約件数を増やすためであることを常に念頭に置く必要があります。
「目標を必ず達成する!」という強い意識を持ち、営業活動に臨んでください。もし会社から与えられた目標が実質的にノルマに近く、どう思っても実現不可能である場合、達成可能な個人目標を書き出しておくのもおすすめです。モチベーションがアップし、個人目標だけでなく企業の目標までも達成できる可能性が高まります。